徹底した感染症対策が求められる介護施設での集団感染の危険性

介護施設では多くの高齢者が一緒に暮らしているため、感染症には十分に注意しなければなりません。介護施設には免疫機能や体力の低下した高齢者が多くいるため、一度誰かが感染症にかかってしまうと施設全体に集団感染してしまうリスクが常にあります。高齢者が安心して介護施設で生活していけるように万全の感染症対策が必要なのです。

とりわけ高齢者は感染リスクも、また感染した場合も重症化に至るリスクも若い人よりも高いため、体力の消耗が激しいインフルエンザやノロウイルスによる感染性胃腸炎に感染すると、命の危険もあります。

さらにそれらの感染症は、感染力も非常に強いため、日頃から密な接触が必須となる介護の現場では、集団感染してしまうリスクが他のどの施設よりも高い傾向にあるのです。インフルエンザや感染性胃腸炎のような感染症でなくても、健康的な人であれば数日程度で治る風邪でも免疫機能が弱い高齢者の場合は合併症を伴う重篤な状態になってしまうケースも稀ではありません。

もちろんそれぞれの介護施設も集団感染の危険性については十分に認識しており、日頃から感染症対策に努めています。

厚生労働省も「感染症対策ガイドライン」を制定し、医療・介護にかかわる関係者が適切に対策できる方策を示しており、介護施設では手洗い・手指消毒の徹底はもちろん、施設内の人がよく触る場所の消毒やこまめな換気、予防接種など、感染予防に効果的とされる対策を日々行っています。